伊勢神宮の初詣は、全国から人々が集まる「別格」の行事。2026年はカレンダーの並びも特殊で、例年とは少し違った混雑の動きが予想されます。
伊勢市の公式統計データや神宮の参拝スケジュールに基づき、2026年・伊勢神宮の「参拝者数」と「混雑の正体」を徹底的に解説します。
三が日の予想参拝者数は「40万〜50万人」超えへ
まず、直近数年間の「伊勢市・初参り参拝者数(内宮・外宮合計)」の推移を見てみましょう。
| 年(令和) | 三が日合計(人) | 状況・背景 |
| 2020年(令2) | 560,320 | コロナ前のピーク時。50万人を大きく突破。 |
| 2024年(令6) | 377,011 | 回復傾向。徐々に40万人に近づく。 |
| 2025年(令7) | 416,111 | ついに40万人を再突破。 活気が完全に戻る。 |
| 2026年(令8) | 450,000前後(予想) | 土日を含む連休の影響で、さらに増加の見込み。 |
2026年が特に混む理由
2026年は1月1日が木曜日です。そのため、1月1日(木)〜1月4日(日)までをひと塊の休暇として動く参拝者が非常に多くなると予想されます。
例年なら三が日で落ち着く波が、4日の日曜日まで「高い水準のまま維持される」のが2026年の特徴です。
内宮 vs 外宮:人数と「体感混雑」の圧倒的な差
「お伊勢参りは外宮から」という古くからの習わしがありますが、実は参拝者の多くは内宮に集中します。
2025年(令和7年)の三が日内訳(伊勢市統計より)
内宮(ないくう):279,690人(全体の約67%)
外宮(げくう):136,421人(全体の約33%)
この数字が示す通り、内宮は外宮の「約2倍」混雑します。
特に内宮は、入口の宇治橋から正宮(しょうぐう)まで距離があり、さらに「おかげ横丁」での観光客も加わるため、体感的な混雑度は外宮の数倍に感じられるはずです。
2026年版:混雑の「時間帯」別パターン
2026年1月1日から4日までは終日(24時間)参拝が可能です。この「24時間開放」をどう利用するかが、勝敗を分けます。
【最激戦】元旦 0:00 〜 3:00(年越し)「初日の出」を拝もうとする若者やグループ、深夜特急で訪れる参拝者で溢れかえります。
宇治橋周辺は身動きが取れなくなる時間帯です。
【大混雑】各日 10:00 〜 16:00(日中)宿泊組、日帰り組、観光ツアー組がすべて合流する時間。
おはらい町やおかげ横丁は「満員電車のような状態」になることも珍しくありません。
【穴場】早朝 5:00 〜 7:00(夜明け前〜直後)24時間参拝ができる2026年ならではの狙い目です。
早朝5時に外宮を訪れ、6時過ぎに内宮へ入れば、まだ誰もいない静寂の森を歩くことができます。
車なら「パーク&バスライド」一択!
三が日、内宮近くの駐車場に車を停めようとするのは無謀です。
2026年も「らくらく伊勢もうで」(伊勢市等の官民連携案内)にて、パーク&バスライドの実施が案内されています。
対象日: 1月1日 〜 1月4日、1月11日(予定)
仕組み: 高速出口近くの「三重県営サンアリーナ」等の巨大駐車場に車を停め、シャトルバスで内宮・外宮へ直行します。
渋滞を横目に専用レーンを走るバスの方が、圧倒的に早いです。
外宮から入って「流れ」を作る
公式でも「外宮→内宮」の順が推奨されています。
朝一に比較的空いている外宮で心を整え、その勢いで内宮へ向かうのが理想的。
内宮でお参りを済ませてから「おかげ横丁」へ向かう頃にちょうどお店が開き始める(9:00〜10:00頃)というスケジュールが、最も無駄がありません。
御朱印・お守りは「有人時間」を確認
参拝は24時間可能ですが、御朱印の授与や、お守りを頒布する神札授与所の窓口が24時間開いているとは限りません(例年、三が日は夜間も開いていることが多いですが、4日以降は時間が短縮されます)。
御朱印が目的の方は、「明るい時間帯」に済ませるのが安全です。
持ち物
足元の冷え対策: 伊勢神宮の境内は玉砂利です。足元から冷気が伝わってくるため、厚手の靴下やカイロは必須です。
小銭の準備: お守りや食べ歩きで現金を多用します。混雑したレジ前で慌てないよう、100円玉と500円玉を小銭入れにまとめておきましょう。
スマホの電波状況: 混雑しすぎると、内宮周辺ではモバイル通信が繋がりにくくなることがあります。
同行者との待ち合わせ場所は、事前に具体的に(「宇治橋の鳥居の下」など)決めておきましょう。
まとめ
2026年の伊勢神宮は、40万人超えの参拝者+週末日曜までの混雑継続が予想される、非常にパワフルな初詣になります。
「人数」に圧倒されないよう、内宮よりも外宮を先に、そして早朝に訪れる。
「交通」は無理せずパーク&バスライドをフル活用する。
「カレンダー」の並びを意識し、4日の日曜までは混雑すると覚悟しておく。
日本人の精神的な原点に触れる初詣。しっかりと準備をして、その静謐な空気の中で新しい一年の平穏を祈りましょう。