【士業の相乗効果】現役行政書士が語る!キャリアが爆伸びする資格の組み合わせ5選

今回は、専門的な知識やスキルを深め、キャリアをさらに広げたいと考えている方に向けて、資格の組み合わせについてお話しします。資格は単独で取得するだけでなく、複数の資格を組み合わせることで、大きな相乗効果を生み、より多くの仕事を得る機会が生まれます。

この記事では、特に相性の良い資格の組み合わせを5つご紹介します。

それぞれの組み合わせがなぜ強力なのか、どのような場面で役立つのかを具体的に解説しています。ご自身のキャリアプランや興味関心に合わせて、新たな資格取得を検討する際のヒントになれば嬉しいです。

組み合わせると強い資格5選

1. 消防設備士と電気工事士

消防設備士の甲4類は、自動火災報知機の設置や点検ができる資格です。

甲4類というのは、自動火災報知機の設置や点検ができるわけですが、自動火災報知機を設置しようと思ったら、電気工事ができないと難しいことが多いんです。

今は電気工事士を持っていないので、業者さんに電気工事のところをお願いしています。

やっぱり自分で全部できた方が良いし、お得な場面が多いわけですよね。

この消防設備士と電気工事士は、両方ダブルで取ると良いと思います。電気工事士は1種でなくても2種で構いません。電気工事士の1種と2種の違いは、どれくらいの規模の電気工事ができるかということですが、ほとんどの人は電気工事士2種があれば仕事上十分だと思います。

この2つの資格は組み合わせで持つとメリットがあると思います。

2. 行政書士と社会保険労務士

もともと行政書士と社会保険労務士は、一つの資格だったらしいんです。

それが途中から行政書士の仕事と社会保険労務士の仕事に分かれたということなので、元は一緒だったということなんですね。

社労士さんというのは、社会保険料の計算をしたり、労働関係の書類、例えば労働災害が起こった時なんかにその労災の申請の書類を作成したりと、労働関係に関する書類を作成するスペシャリストです。

やる内容としては書類の作成代行ということで、行政書士と非常によく似ているところがあります。

行政書士の仕事と連続して社労士の仕事が必要になってくるというようなことがあるので、もしどちらか片方しか持っていないと、他の人にその資格を持っていて頼まなければいけません。ワンストップで対応できた方が、色々な仕事がとってこれるので、お勧めできるんじゃないかなと思います。

行政書士は税理士とか司法書士とか、他にも組み合わせで取ると良いという資格はあるんですけれども、それは自分のどういう分野に関心があるかというところで、組み合わせて取るのが大事になってきます。

社労士と行政書士の組み合わせは、仕事をしていく上では良いんじゃないかなと思います。

3. 一級建築士と宅建士

今までは不動産のことと建築のことを別々に考えている人が多かったんですよね。

例えば、建築を勉強しようと思ったら、工学部の建築学科みたいなところに入って、設計などの勉強をして建築士を取るわけです。

不動産関係の法律とか民法とかって、あまり勉強をしないんですよね。日本に不動産関係の大学の学部がないというのも、一つ問題ではあるんですけれども、今までは建築と不動産の世界というのは切り離されてきました。

新築ばかり建てていた時代というのは、土地を用意して、それとは別に建物を新築する、というような感じで、土地と建物のことは別々に考えて良かったんです。

しかし、今は中古住宅の取引が活発に行われるようになってきて、古い建物と土地をセットで、価値はどれぐらいあるのか、ということを知りたいというニーズがあったりするので、建築の知識と不動産の知識を同時に持った方が、色々な不動産のコンサルができるということなんですよね。

建築と不動産の資格は、意外とダブルライセンスを持っている人が少ないんですけれども、ダブルで持っておくと良い、という話です。

4. 司法書士と土地家屋調査士

司法書士は様々な仕事があるのですが、その仕事の中の一つに、法務局に行ったらもらえる不動産の登記というものができたりします。

司法書士ができるのは、この登記簿の中の「権利部」と言われるところの登記申請だけです。

権利部というのは、例えばこの建物や土地を誰が持っている、所有権は誰かとか、それから借地権がどうなっているかとか、抵当権が付いているかどうかとか、そういうことが書かれているのが、登記簿の権利部なんですけれども、それとは別に、登記簿の「表題部」というものがあって、こちらは建物の構造とか建物の面積が書かれています。

これを登記できるのは、実は司法書士さんではなくて、土地家屋調査士さんなんですよね。

土地家屋調査士さんは、実際に建物を測量したり土地を測量したりして、きちんと境界がどこまでなのか、面積はどれくらいなのか、というのを確定して、登記の表題部の登記申請をするということです。

司法書士事務所と土地家屋調査士の事務所が併設しているケースもよくあったりするんですけれども、依頼者の立場を考えると、この2つの資格を持っていると、非常に重宝がられて仕事がたくさん来るんじゃないかなということが予想できるので、この土地家屋調査士と司法書士のダブルライセンスは非常にお勧めできます。

5. 教員免許と大学院修士課程

今回取り上げるこの大学院修士課程というのは、博士の後期課程に行く前の2年間、大学4年卒業してから2年間で修士の学位を取得するものです。

今は、学校の先生とか、専門学校とか色々なところの先生は、院卒で教員免許を持っている人を募集していることが多いです。

昔は学部を卒業して、すぐに学校の先生になる人が多かったんですけれども、最近は大学院に行くのが割とスタンダードになってきており、修士課程を出ていることが必須条件になっているところもたくさんあります。

教員免許と大学院修士課程をダブルで持っていることによって、教育関係に関心がある方は、非常に採用されやすかったりするので、修士まで行かれた方は、その合間の時間で教員免許を取る、というのも良いんじゃないかなと思います。

ダブルライセンスのメリット・デメリット

今回、5つの資格のペアを挙げさせていただきましたが、ダブルライセンスのメリットとデメリットについてです。

メリットについて

相乗効果を狙えて、ワンストップでサービスができるので、仕事がもらいやすいです。

仕事の幅も広がりやすく、色々なところに営業をかけやすいという利点があります。

また、他の士業との差別化を図ることもできるでしょう。組み合わせを持っていると、ゲームで2つのアイテムを組み合わせると新しいアイテムになるように、非常に役に立ったり重宝がられたりすることがあります。

デメリットについて

やはり一つ一つの資格を取ろうと思ったら、かなり難しいです。

資格取得に時間がかかるというのが、まず一つ大きなデメリットで、2倍、3倍かかることもあります。

それぞれの士業会に所属する場合、例えば行政書士会と司法書士会のように、資格を2つ持っている人だったら、その2つの士業会に会費を払わなければいけません。

なので、最初から独立開業してすぐに両方の会に登録するのは、かなり厳しい、初期費用がしんどい、ということがあります。

もちろん、起業して少し時間が経ってからダブルライセンスでやっていくのが良いと思いますが、各会に費用を払わなければいけない、というのが一つ、このデメリットというか、ダブルライセンスで仕事をしていく上でのデメリットになるんじゃないかなと思います。

まとめ

本記事では、相乗効果を生み出し、仕事の幅を広げる資格の組み合わせを紹介しました。

  • 消防設備士と電気工事士: 消防設備の設置から電気工事まで一貫して対応可能。
  • 行政書士と社会保険労務士: 書類作成代行業務で、労働関連までワンストップサービスを提供。
  • 一級建築士と宅建士: 建築と不動産の両面から、中古住宅取引やコンサルティングを強化。
  • 司法書士と土地家屋調査士: 不動産登記の権利部と表題部の両方をカバーし、依頼者の利便性を向上。
  • 教員免許と大学院修士課程: 教育分野での採用において、専門性と学術的背景をアピール。

資格をたくさん取るのは少し大変ですが、資格を使って何か仕事をしたいと考えている方も多いでしょう。

そういう方にお勧めなのは、色々な他の資格を持っている人とのネットワークを作っておくことです。

そういうネットワークがあると、非常に仕事を進めるのがやりやすくなります。自分に持っていない資格を補完するという「外注する」考え方も、ありだと思います。