今回は、行政書士試験の過去問学習法にを提案してみたいと思います。
行政書士試験では、まずインプット学習をして、ある程度進んだら過去問に入り、次のインプットに進んで過去問に入っていく、いわゆるジグザグ方式を僕は推奨しています。
でも、過去問を解くのって結構時間かかりませんか?特に最初にやる人、入門の人は時間がかかりますよね。
独学の人とか入門の人、これはバツかな、バツかな、マル、バツ、マルとか言って、答え合わせして「ああ、そうか」とか「テキストの何ページかな」とか言ってメモしたりして、最初のうちは解けないなと思って、次の問題に行ってみてもやっぱり時間がかかる、解いて時間がかかるってことありませんか?
いや、「時間そんなにかからない、自分は順調でサクサクと解けていってます」という人はいいんです、それはいいんですよ。ですから、今回の話はそうではない方向けです。
過去問を「解く」ことの課題と対策
過去問学習として、オーソドックスなやり方としては、インプットをある程度行った上で、該当箇所の過去問を解くというやり方です。つまり、これがジグザグ方式です。
これをやっている人が多いと思うのですが、その際にただ解くだけでなく、正解できたかよりも、出てきたところの条文だけでなく、関連条文とか、関連判例とか、テキストの内容のところも一緒にチェックしておくことをオススメします。
たまに過去問解きっぱなしている人がいます。「ああ、解けた、マルだ、バツだ」で終わっているのですが、本当にもったいないです、それは本当にもったいないです。
過去問を解くのはいいですが、解いたら正解できたか否かも大事なんですが、例えば条文の問題で正解したとします。「良かった、正解した、やった!」と。例えば16条3項の問題だったとします。
「僕は正解した、私は正解した、やった!16条3項よし次」ではなくて、16条3項が出てきたんだったら、最低でも1項と2項があるわけでしょう。
六法を見ましょう。
「ああ、この16条だけじゃなくて、そうだ、この15条もつながっているんだ、こっちもちょっと見て目を通しとこう、そうだったそうだったOK」と条文チェックをする。
判例があるんだったらテキストに戻ってみて、「ああ、そうだ、ここの判例ってこれがあったの、ああ大丈夫、覚えてる覚えてる、大丈夫だ」というところまでやれば、本当に奥行きが出ます。
だから、「たまに過去問はもう何度もやりすぎちゃって答えは覚えちゃった」って言っている人がいるのですが、あまりそれ意味ないです。
その答えを覚えるかどうかというのは正直どうでもよくて、そういった学習ができているか、つまりそういうツールとして使えたかということが大事なんです。
過去問というのは、プラスアルファのところまでしっかりチェックできているかどうか、あるいは関連条文とかまでしっかりと引き込めていけてるか、つまり学習の奥行きが出てきたかどうかというのが過去問学習の肝なんです。
過去問を「読む」という新しいアプローチ
受験生にとって一番悲劇的なパターンは、解くことにこだわりすぎて、願書を出す夏の時期や、下手したら9月以降の直前期になっても、まだ過去問が一巡しきれてないことだと思います。
早くから勉強を始めているのに、すごく時間がかかって、結局それがストレスになって勉強も嫌だな、という感じで、その後もどんどん進むのが遅くなって、夏、願書の時期にまだ過去問が一周も終わってない、ということがありえるわけですよ。これが一番まずい。
インプットアウトプットしていくそれで知識を定着させるってのは分かっても、過去問を解いていく中でものすごい時間かかって、だんだん嫌になってきて、遅々として進まず、過去問もやってはいるんだけど、夏で、まだ民法が8割くらいで、行政法が7割くらいで、まだ手をつけてない科目もあったりする人がいると思います。
解くことにこだわりすぎて、時間を取られすぎて、最終的には過去問を見るのが嫌になるなんて最悪です。
とにかく過去問はちゃんと回して、また前に戻って、先ほど言った関連情報、いろんな知識を奥行きを持たせていく中で、いろんな知識をブラッシュアップさせていって、正しい学習法が確立していく、というのが過去問の理想的な活用方法です。
オススメなのは、過去問を一旦読んでみませんかと。解くのが王道なのはわかりますが、まず読むというのはどうですか、ということです。
過去問を「読む」具体的なイメージ
「読む」というのはどうやってやっていくかというと、まず答えを見ちゃうわけです。
問題文を見て答えをパッと見ちゃう。そして答えを見ながら、マルバツを赤ペンでつけちゃうんですよ。それも赤ペンでつけちゃうんです。
そして、特にバツの選択肢はどこが誤りなのかを一言メモしておくわけです。
これは「法的義務じゃなくて努力義務」とか、「16条3項じゃなくて15条2項参照」とか、そういうことを書いておくわけです。
もしさらに余裕があれば、それはテキストの何ページに載っているか、みたいなことを書いておくわけです。そうしたら、テキストに戻って、そこの問題と関連する判例とか知識の内容がチェックできるでしょう。
そしたら、読み物みたいになるイメージわかりますか?
「制限行為能力者と取引をした相手方の保護に関する次の記述のうち正しいものはどれか」と問題があって、とりあえず1番がバツなんだけど、どこが間違っているのか、というのを全部チェック入れていくわけです。条文があるんだったら条文メモだけでいいという感じで。
該当箇所のテキストのページがあるんだったら、テキストの該当箇所なんかも入れておけばいいわけです。
テキストをサッと見て、「ああ、そうか、そこそうだったな」というのをチェックしていくわけです。
次の問題に進んだらまた同じようになるわけです。バツバツマルだなと。それを付けちゃって、特にバツはどこがバツなのかというのをチェックして、条文があるんだったら条文をメモしておくわけです。
一言メモでもいいです。条文しか入れてないでもいいんです別に。テキストの該当箇所があるんだったら書いとくわけです。
解説なんかもちらっと見て、「ここはちょっと気になるな」というところがあれば、そこに線引いといてもいいし。次行ったら、また同じ、バツバツマルマルバツという形で、バツのところに何が間違っているのかというのをチェック入れて、条文番号とか。これ一言メモでもいいんです。
次の問題も同じ。ずっと同じ、わかりますかね? こんな感じでやると、結構時間短縮して進んでいけるんです。
過去問を読むものにしてしまえば。そして一通りこの作業をやっちゃうんです。
次の科目でも同じようにやっていくわけで、終わったらもう全科目読むやり方に変えたら、サラッと終わるから、終わったらもうあとは読み物みたいにしてどんどん読んでいく。
さらに勉強が進めば知識も増えるから、「ああ、この前はここだけしかメモしてなかったけど、ちょっと足しておこうかな」とか、「ちょっと余白足りないからポストイットに書いて挟んでおこう」とか。
過去問集がどんどんインプットツールになっていくわけです。
テキストとのリンクも貼れていくし、だんだん学習が進んできたら、それをやっていく過程で、関連条文もチェックするし、関連判例もチェックする、ここはテキストと一緒にチェックるという風になっていくわけです。
そうしたら、どんどんどんどん学習の厚みが出てきて、奥行きが出てくるのがわかるでしょう。厚みが出てきて奥行きが出てくると思います。
学習が進んだ後の過去問の活用法
そうなっていくと欲が出てくるわけです。
かなり過去問の読み込みをやってきて自信もついたから、最後にちょっと解いてみたくなるわけです。
でも今度は解くといっても、もうマルバツを付けちゃっているインプットのツールみたいになっちゃっているから、次にまた新しくもう1冊買うわけですよ、過去問を。
お勧めなのは、そのマルバツを付けて使った過去問とは別の過去問集を買うということです。
同じ問題でもレイアウトが違うだけで、なんか解ける・解けない、という時ってありませんか?
だから、最初にマルバツを付けた、過去問集は、それはもうマルバツを読み物用として取っておいて、実際に解く用は、別の過去問集を買ってきて時間計って解いていくとより実践的です。
解くなというわけではないです。
ただ、時間を取られて、もう勉強自体が嫌になっちゃったとか、もう辛い、という方は、一度読み物にするというやり方を試してみてもいいんじゃないかなと思います。
それをどんどんやることによって実力が向上していったら、最後に解きたくなったら解けばいいじゃないかという1つの提案です。
まとめ
- 行政書士試験の過去問学習は、インプットと並行するジグザグ方式が効率的。
- 社会人受験生など、時間が限られる方は、過去問を解くことにこだわりすぎると学習が遅れる可能性がある。
- 過去問を読むという方法は、問題を先に見て答えと解説を確認し、間違いの原因をメモすることで、短時間で効率的に進められる。
- 読み込みを通じて知識が定着したら、別の過去問集を解くことで、実践力を養うことができる。
皆さんの学習時間は限られていると思います。過去問を解くことが理想ですが、時間が足りずにストレスを感じるなら、まずは読むことから始めてみてください。
読み進めるうちに知識が深まり、自然と問題を解きたくなるはずです。この方法で、きっと皆さんの学習をより充実させられるでしょう。