行政書士として独立開業を考えている方、または開業したばかりで営業方法に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
特に実務経験や人脈がない場合、どのように顧客を獲得していけば良いのか不安になることもあるかもしれません。
この記事では、開業1年目の行政書士が実践すべき7つの具体的な営業方法を紹介します。
これらの方法は、経験や人脈がなくてもすぐに取り組めるものばかりです。また、SNSの活用や顧客獲得後の心構えについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
開業時の「お祝い案件」に惑わされないで!
まず1つ目が、開業時のお祝い案件に惑わされないで、ということです。
開業直後にご祝儀案件が1から2件ポンポンと飛び込んでくると、これに安心して、意外と仕事って簡単に入ってくるものだな、という風に安心してしまうことがあるんですけれども、それはちょっとまずいです。
ビギナーズラックという言葉もあるんですけれども、運良く最初にポンポン仕事が入ってきても、それが続く保証はどこにもないんです。
確固たる営業集客ルートを作っておかないと、どんどん尻すぼみになってしまいます。今から説明する営業方法をぜひ実践していただければと思います。
開業1年目の営業方法7選
それでは開業1年目の営業方法7選、順番に解説していきます。
(1)ホームページ
ホームページは今後どんな媒体を使うにしろ、必ず検索されるので必須のものだと思っておいてください。
例えばあなたの名称を見た人が事務所名で検索してこられたりとか、あとは誰かに紹介されてくるという人が個人名で検索したりとか、あとはSNSとかチラシを見て検索してくるとかですね。だからこそホームページは必ず作っておきましょう。
独立開業1年目で、特に重要視すべきページが、コレ
ホームページ集客のポイントはそれこそたくさんあるんですけれども、開業直後に特に重要視して欲しいこと、それはプロフィールを充実させることです。
別の言葉で言えば、プロフィールにプライベートのこともどんどん書きましょうということです。
なぜかと言うと、士業というのは敷居が高い、怖そうという風に思われがちだからなんです。
このイメージを払拭するためにも、プロフィールにはプライベートのことをどんどん書くというのはとても大事です。
例えば地元ネタ、このお店のこんなメニューが大好きで週2回は通ってますとか、もしガンダムとかそういう趣味があれば、ガンダムが大好きで400体くらいありますとかね。僕だったら筋トレ好きですとか、あとは家族の話とかです。
小学2年生の息子がいて一緒にポケモンやってますとか、こんなこと書いて意味あるの、という風に思われるかもしれないんですけど、ちゃんと意味があるんです。
人間というのは自分と似た共通点がある人は仲間として受け入れられやすくなります。
例えば、うちの息子もポケモン好きだな、この先生最初は怖そうだなと思ったけど意外と優しそうな一面がある、家族思いの方なんだな、みたいな感じです。
このようにプライベートを書くことで敷居が高いというイメージを払拭できます。
ちなみに私も自社のホームページの代表プロフィールのところには、大好きな筋トレのことだったり、バスケだったり、あとは家族のことなども載せています。
これを読んだ方が、私も筋トレやってますとか、うちにも同い年の娘がいますみたいに話してくれたりもして、そこから話が盛り上がってご契約に至るということも結構あるので、プライベートのことは書いておいて正解だったなと思います。
アピールできる実績が乏しい開業1年目だからこそ…
特に1年目というのは実績として書けるものも少ないので、出せるのは人間性、共通点なんですね。
そこをどんどん出していこうということです。何よりプライベートなことを書くのって意外と楽しいのでおすすめです。やっぱり楽しく仕事したいですよね。
実績よりも人柄を売るといったイメージです。
(2)開業のお知らせ
2つ目の営業方法が開業のお知らせを送るということです。
よくXとか、FacebookなどのSNSを急いで始める方もいらっしゃるんですけれども、SNSよりも先にやった方がいい営業方法がこの開業のお知らせなんです。
開業して1年目というのはこういうアナログ営業は特に意識した方がいいです。
ホームページなどのWeb集客というのはあくまで見知らぬ人へのアプローチという意味では遠隔戦と言えるのですが、そうではなくて、知ってる人へのアプローチ、接近戦の方が実は信頼されやすくて仕事にも早く繋がりやすいというようなメリットもあります。
アナログの営業で大事なのが、コレ
アナログの営業でまず大事なのが名刺です。
自分の取り扱い業務だったり専門をしっかり書いた名刺を用意しておきましょう。
①知り合いに開業のお知らせ
名刺ができたらまずは知り合いにどんどん開業のお知らせを送っていきましょう。
例えば家族や友人、前職の人脈に名刺を渡したりとか、あとは忘年会とか新年会とか同窓会みたいなところで名刺を渡したりとか、開業のお知らせはがきを送ったりとか。
このタイミングで、もうすでにSNSやっているのであれば、開業報告をするのも良いでしょう。
②ご近所の士業の先生にご挨拶
ご近所の士業の先生にご挨拶に行くというのもおすすめです。
ご近所の士業の先生にアポイントを取って挨拶に行くということです。遠くの親戚より近くの他人という言葉もあるように、異業種交流会よりもはるかにいい人脈になります。
異業種交流会を、あまりお勧めしない理由
ちなみに異業種交流会というのは仕事が欲しい人が多いので、あまり深い人脈になりづらい印象です。
他士業、例えば税理士とか社労士さんとか、もちろん同業の行政書士さんとも人脈を作っておくことをお勧めします。
他士業との横の繋がりを作っておくことで紹介が増えたりとか、あとは自分が業務で困った時に相談できたりします。
特に許認可業務は他の士業からも紹介で回ってきやすい業務です。
行政書士同士でも自分の専門分野ではない業務だったりとか、経験のない業務というのは他の行政書士に紹介してくれるというケースも結構あるので、同業の人脈というのもとても大事になってきます。
(3)先に与える
3つ目の営業方法が先に与えるというものです。
例えば士業会の運営だったり雑務のお手伝いをしたりとか、あとは士業活動に積極的に顔を出したり、先輩行政書士を手伝ったりとかです。
アピールできる実績が少ないからこそ、ここでも人間性、人柄を売るという意識が大事になってきます。
人間には返報性という心理があります。自分のために頑張ってくれた人にお返しをしたいという心理です。
与えるものは与えられるという言葉もあるように、先に与えることで、この人頑張ってるな、応援してあげたいなと思ってもらえて、仕事を紹介してもらえたりということもありします。
(4)クラウドソーシング系のサイト
4つ目がクラウドソーシング系のサイトです。
例えばクラウドワークスとかランサーズはWebでのやり取りが前提なんですね。なので例えばあなたが副業で行政書士をやっていて、平日の日中は別の仕事でなかなかお客様対応ができないという場合にも取り組みやすいのでお勧めできるかなと思います。
(5)DM(ダイレクトメール)
5つ目がDM、ダイレクトメールです。
マーケティングで1番大事なのがホットなお客様にアプローチすることです。
そういった意味でもダイレクトメールってのはまだまだ使えます。
例えば建設業許可を扱っているのであれば、県のホームページとか見ると建設業者が一覧で載ってるんですね。そこに更新のDMを出すとか、そういったこともできるわけです。
「顧客リスト(顧客の連絡先)」を見つけよう
建設業許可に限らずに、こういった顧客リスト、顧客の連絡先を手に入れるというのはとても大事なことです。
あなたの見込み客のリストを手に入れる方法はないか、ぜひ考えてみてください。
(6)PPC(リスティング広告)
6つ目の営業方法がPPC、リスティング広告ですね。
リスティング広告というのは検索結果に出せる広告のことなんですけれども、見込み客が検索してきたタイミングで広告を出せます。
これは、ホットなお客様にアプローチできるというものすごいメリットがあります。
行政書士に限らずビジネスにおいて顧客が必要としているタイミングでアプローチする、ホットなタイミングでアプローチするというのはとても大事です。
例えばあなたが建設業許可を扱っているとしても、全ての建設業者さんがターゲットになるかというとそうではありません。
その中でも例えば建設業許可東京みたいに検索している人にダイレクトにアプローチできたら、それはもう反応は上がりますよね。
このようにPPCリスティング広告というのはホットなお客様にタイミングよくアプローチできるので、非常におすすめの営業方法です。
(7)ブログ更新(SEO対策)
7つ目の方法がブログ更新、SEO対策です。
ブログを定期的に更新することによってホームページ全体の情報量が増えていきます。
そして検索エンジンに信頼されて結果上位表示されやすくなるということをです。
ただブログを更新してSEO対策やってくっていうのは結構時間がかかりますから、少なくとも3から6ヶ月、キーワードによっては1年以上上位表示までにかかるといったケースもあります。
なのですぐに顧客獲得できるわけではないんですけれども、2年目3年目に向けた種まきとしてコツコツやっておくべき方法です。
SNS(Xなど)はやったほうがいい?
僕はSNSの優先度は低いという風に考えています。
僕はSNSは、基本的に時間がある人が見ている媒体だと考えています。
それよりも先ほど話ししたホームページとかリスティング広告とかブログ更新を優先した方が圧倒的に効率がいいです。
例えばホームページというのはあなたに相談しようかどうか迷っているホットなお客様が見ているわけなので、こちらの方が圧倒的に優先度が高くなります。
顧客獲得=ゴールではなく、真のスタート!
ここまでで営業方法について解説してきましたけれども、ここで注意点をお話ししておきます。
それは顧客獲得はゴールではなくて、そこからが真のスタートだということです。
目の前のお客様に120%貢献してご満足いただく、そうすることによって継続だったりリピートに繋がったり、あとは次のお客様を紹介してもらえたり、あとはお客様の声をもらえてそれをホームページに掲載することでホームページからの問い合わせが増えたりといったことにも繋がっていきます。
稼げる行政書士になるための「プラスアルファの努力」とは?
これは、報酬以上の仕事をした人には遅かれ早かれ仕事した以上の報酬が返ってくるということです。
顧客を獲得して終わり安心ではなくて、目の前のお客様を120%満足させることを常に意識していきましょう。
まとめ
- 開業1年目は「ご祝儀案件」に頼らず、確固たる営業ルートを築く。
- ホームページは必須で、特にプロフィールにプライベートな情報を充実させ人間性をアピールする。
- SNSよりも開業のお知らせやアナログ営業(名刺、近隣士業への挨拶)を優先する。
- 他者に積極的に「与える」ことで、返報性の心理が働き仕事に繋がる可能性がある。
- クラウドソーシングサイトやDM、リスティング広告は即効性のある集客に有効。
- ブログ更新(SEO対策)は時間がかかるが、2年目以降の顧客獲得に向けた種まきとして重要。
- 顧客獲得は始まりであり、目の前のお客様に120%貢献することが継続や紹介に繋がる。
開業1年目の営業は、実績が少ないからこそ、人間性や人柄を前面に出すことが大切なんです。
特にホームページのプロフィールにプライベートなことを書くというのは、親近感を持ってもらう良いきっかけになります。
すぐに結果が出なくても、地道に努力を続けることが未来の成果に繋がる大切な考え方だと思います。