法律の学習を進める上で、「何を、どのように覚えていけば良いのだろう?」と疑問を感じる方は少なくありません。
特に初めて学ぶ方にとっては、暗記の具体的な方法が分からず、学習が滞ってしまうこともあるのではないでしょうか。
この記事では、法律学習における暗記の重要性から、その具体的なアプローチまでを解説していきます。この記事を読めば、効率的な暗記方法を知り、学習の定着度を高めるヒントが得られることでしょう。
勉強の本質は「暗記」にあり
勉強でやるべきことは、法律を理解し、整理し、暗記する、ただこれだけです。
たまに「暗記より理解の方が重要だ」といった教え方をする人もいますが、それは違います。なぜなら、理解整理暗記の過程で、一度理解したことを忘れてしまっては意味がないからです。
何を理解したかを暗記しておかなければなりません。整理した内容も暗記しておかなければ、整理したことになりません。結局、この3つの段階の全てにおいて暗記は必要になります。
勉強は最終的には暗記が全てと言っても過言ではないほど、暗記は重要です。
暗記は勉強の核心部分ですから、暗記から逃げると即不合格になります。
暗記しなくて合格することは絶対にありえませんから、暗記から逃げてはいけません。
その暗記を脳がちぎれるほどやっているかどうかが重要です。暗記は一回見ただけで覚えられるような単純な作業ではありませんから、覚えては忘れてを何回も何回も繰り返して、頭が痛くなるほど反復しないと脳に定着しません。
脳がちぎれるほど反復しているかどうかが非常に重要です。
暗記には様々なパターンがある
具体的にどうやって暗記していくかというと、暗記といっても様々なパターンがあるんですね。
理解を覚えなければいけないもの、キーワードだけ覚えればいいもの、表を丸ごと覚えた方がいいもの、他にもあるかもしれませんが、実は暗記も様々なパターンがあります。
理解を覚えるパターン
例えば、理解を覚えるというのはどういうことかというと、これは民法の抵当権です。
抵当権を設定すると占有は移転しますか?これは移転しないのですが、何言っているかというと、抵当権設定する時というのは、一番分かりやすいのは住宅ローンとかです。
銀行から6000万円借金してマンション買いました、という時にマンションに銀行の抵当権がついています、というのが典型的なパターンだと思います。
抵当権設定して占有が移転するというのは、せっかく買ったマンションを銀行が使うということですからね。占有が移転するというのは、ですが、そんなことしないですよね。
銀行からローン借りたら銀行の支店長が住み始めた、なんてことないじゃないですか。
つまり、抵当権設定してもマンションの占有というのは移転しないのです。なので、「抵当権設定者が目的物をそのまま占有できる」と書いてあるわけです。
ここの一行はまさに抵当権の理解が問われているので、この理解を暗記しなければいけません。それが理解を覚えるということです。
キーワードを覚えるパターン
分かりやすいのだと日本史とか世界史です。
織田信長の年表で、織田が1534年にどこで生まれたか、終わりとか。1560年桶狭間の戦いとか。こういうのって、ここに書いてある8文字とか10文字ぐらいを全部覚えるのではなく、キーワードだけ覚えるじゃないですか。
終わりとか、父の名前が〇〇とか、桶狭間とか。こういうのがキーワードだけ覚えればいい部分です。
これを抵当権の方に当てはめると、例えば優先弁済権のところです。
抵当権の時の利息は最後の2年分に制限されるとか。
この最後の2年分というのは、ここだけピンポイントで暗記しておかないと、5年分なのか7年分なのか10年分なのか、全然分からないですよね。なので、こういうところはキーワードだけ覚えればいい部分です。
表を丸ごと覚えるパターン
例えば民法の代理権を証明する時です。
法定代理、任意代理に分けて、本人にどういう事由が生じたら代理権が消滅するか、という有名な表があると思います。
こんなものは、この代理権消滅の表だけ見て、白い紙にこれを全部自分で書き出せるか、というように表を丸ごと覚えるというような暗記の方法もあります。
暗記といっても実は細分化されていますので、自分が今勉強している部分をどのパターンでやらないといけないのかというのは、都度判断する必要があります。
これは複合的に出てくるので、例えば代理の種類の表だと、赤い部分は表のこの部分を丸々覚えるとか、この辺はどこかキーワードだけ覚えるとか、この欄については理解を暗記するんだとか。こうやって一つの表でも複合的に暗記のパターンが出てきます。
ですから単に全部丸暗記すればいいんだというのとはちょっと違います。
五感をフルに使って暗記する
暗記のパターンを知った上で、具体的にどうやって覚えていくのか?
どうやって暗記するかというと、五感をフルに使って暗記した方が知識の定着が良いです。
どの部分を手で隠して、その隠れた部分を頭の中で言ったりとか、それを口に出して記憶を吐き出していたらより覚えやすいということもあるでしょう。
表を丸々覚えたい時などは、表ごとノートに書きまくるとか。講義を何度も聞いている時に聞きながら自動的に覚えてしまうというパターンもあります。
読んだだけで暗記はできませんから、各自色々な方法を複合して使ってみてください。
僕は、当然五感をフルに使って暗記するのですが、何度暗記してもなかなか覚えられないような苦手なところは、別途直前期に紙に書き出して覚えられないところをまとめていました。
最後はメモに書いて、読んだだけで思い出せるようにしました。
他にも分かりやすいのが丸の12で13条の語呂とかあります。
これを見たらその語呂を言えるかどうかというのをチェックします。
語呂がさっきの手書きのメモを見てこの語呂を思い出せるかというのをやっていきました。
このような地味な作業をやって頭がちぎれるほど反復したので、なかなか覚えられない部分も覚えて試験に臨みました。
人によってはこういったものを作った方がいい人と、作らなくても大丈夫な人がいると思いますが、五感をフルに使って暗記を反復することになります。
効率の良い復習方法について
原則として書写は効果が薄いです。
特に暗記のパターンのうち、理解を覚えなければいけないものを書写してもあまり意味ないです。
キーワードだけ覚えればいいものを文章ごと書写してもあまり意味ないので、全てのものを書写するというのは少し疑問が残ります。
ただ、表ごと覚えなければいけないものは、書写も一定程度の効果があるでしょう。
暗記しなければいけないところを、手で隠して「ここが言えるか」というのを都度確認していくのは非常に効果があると思います。
基本的に僕は紙ノートの重要部分を隠して、言えるかというのを何度も何度もチェックすることで暗記していましたが、それでもなかなか覚えにくいものが結構出てきます。
そういったものに関しては、もう別のものに書き出して、覚えられないものだけチェックするシートを作っています。
これは僕の暗記のやり方なので、これが全てというわけではないのですが、一つの参考にされてみてください。
まとめ
- 勉強における暗記は、理解し、整理した内容を定着させるために不可欠な要素です。
- 暗記から逃げては合格できません。
- 暗記には「理解を覚える」「キーワードを覚える」「表を丸ごと覚える」の3つのパターンがあります。
- 暗記には五感をフルに活用し、書くだけでなく声に出したり、聞いたりすることも効果的です。
- 覚えにくい部分は、別途メモにまとめて集中的に反復学習することをおすすめします。
暗記を意識的にやるかやらないかで点数の伸び方はまったく違ってきます。
今日の話を参考に、勉強方法を修正して、今年必ず合格できるように脳がちぎれるほど暗記してみてください。